かぷら

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藤原鎌足の生誕伝説が残る
坂東三十番霊場 平野山「高蔵寺」

高倉観音 本堂

大永6年(1526年)に再建された現本堂。平成11年4月に屋根など大修復。文化財に指定されている高床式の珍しい建造物

 地元の人々からは「高倉観音」の愛称で親しまれている高蔵寺。鎌倉時代から坂東30番札所として知られ、開創は用明天皇の代(585~587年)までさかのぼる。徳義上人がこの地で修行中、老翁が現れ「衆生澄度のために飛来した観音をここに安置した」と古木を指さし忽然と姿を消した。梢を見ると、なんと4寸(約12㎝)ほどの観音像が安座していたので、里人と共にお堂を建て、観音像を安置。これがこの寺の始まりと言われている。この徳義上人の祀った観音像は、本尊・正観世音菩薩の頭部に納められている。

 その後、子宝に恵まれなかったこの里の有力者、猪野長官(いのうちょうかん)が願をかけて祈ったところ、一女を授かった。心清く素晴らしい娘に成長したが、器量が悪く20歳を過ぎても良縁がなかったため、再び観音様にお祈りをしたところ、結婚、めでたく男子を得ることができた。この男子が「鎌子」、後の藤原鎌足であると伝えられ、これが縁結び・子授け観音と呼ばれる由縁にもなっている。鎌足は、この観音様の霊験が偉大なることを深く尊崇、母への感謝も併せて七間四面の本堂や鐘楼堂などを建立した。残念ながらこれらの建物は火災で焼失。室町時代、大永6年(1526年)に再建されたのが現在の本堂。鐘楼堂は江戸時代に再建された。この周辺の土地名は木更津市矢那だが、かつては鎌足村といい、今も小中学校の名前などに鎌足の地名が残っている。

  はるばると 登りて拝む  高倉や   富士にうつろう 阿娑婆なるらん

 当山開基と伝えられる徳義上人が詠んだものと言われ、高倉とは高い床の上に建てられたお堂という意味。「はるばると登りて拝む」も本堂の高いことを表し、また「阿裟婆」は阿=如来、裟=菩薩、婆=明王を指している。高倉観音から西方を眺めると富士山が眼前に望め、観音様に祈願すると如来、菩薩、明王が導いてくれることを説いている。「はるばると 登りて」は観音様のところまで苦労をして参拝するという信念が尊く、また、参拝を実現できることに感謝の気持ちを忘れてはいけないということが語られている。

  具現化、仏法世界  観音浄土界巡り

 木更津市指定文化財にもなっている本堂は、重層の入母屋造り「九間堂」で床柱数88本。床の高さは、2.45mもあるので、床下を人が立って歩くことができる。この造りを活かして、今では、これまで秘仏とされていた本尊の全身を拝むことができるようになった。本尊の足の周りには「観音浄土界の間」「地獄巡りの間」「極楽界巡りの間」がある。死後の世界が具現化され、観音巡礼をしながら、観音様に導かれ地獄から極楽浄土にたどり着くという仏教の教えを分かり易く理解でき楽しめる。また、寺の守護霊である白蛇をはじめ、他の寺では見られない秘仏、宝物を閲覧することができる。その厚い観音信仰の表れがこの寺にはあちこちに見られ、ただ圧倒されるばかり。高蔵寺が考える地獄は、生きている現在にも存在するという。五感をフルに使って仏法世界を感じれば、拝観は一層面白くなる。2014年は6年に一度の本尊御開帳の年。そのやさしいお顔を正面からぜひ拝観したい。

 

 

◎霊験あらたかな、高蔵寺で初詣

大晦日 樽酒、甘酒、みかんの無料接待
元旦~1月2日 甘酒、たくあんの無料接待
観音浄土巡りの拝観者2014名様おみくじ無料提供(300円分)
お札・お守り(1万円以上)を受けた方に、フクのカミ提供

 

住所 木更津市矢那1245
TEL 0438-52-2675
開場 8:00~17:00(観音浄土巡り9:00~16:00)
拝観料 無料
※観音浄土巡りは300円
駐車場 100台
URL http://takakurakannon.com/